タイムカード

この作業を実施する人:労務管理担当者     作業時間:120分

 このセクションでおこなう設定の目的

勤怠管理を開始するためには、タイムカードが使えるよう設定する必要があります。入力されたタイムカードには勤怠記録、就業時間記録等が集約されますので、出力して給与計算の元データにすることができます。

 このセクションの設定を進める前の準備・チェックポイント

勤怠管理の方針、数字処理(丸め)の方針について定める
出勤予定パターンを登録しておく

このセクションの解説内容

1.タイムカード設定に必要な計上を再確認する

2.数字の丸めについて理解し、方針を決めて設定する

3.タイムカード運用に向けて必要な登録設定を行う

 

タイムカードの設定とは

「タイムカード」の設定をすることで、日々の出退勤情報が登録できるようになります。たとえば、「出退勤時間の端数を丸め」たり、「休憩時間は自動的に計算」したりと、自社の運用にあわせた設定を行うことができます。

また、出退勤情報は最終的に、給与計算にも反映されます。そのために、どのデータをコピーして最終データにしていくか等も、ここで設定します。

 

タイムカード設定の前に:勤怠管理の方針を再確認する

タイムカードの設定は、勤怠管理の方針を決めてから始めます。どのような運用をしていくか、大きく3つの方針が影響します。

方針1打刻ベースか申請ベースか
→「登録の設定」
Part1参照〉
打刻ベースの場合は都度の承認を不要とするため、申請の細かいルールや承認者の段階設定は不要です。
申請ベースの場合は、申請・承認のルールを一つずつ定めます。
方針2端数時間をどのように扱うか
→「丸めの設定」
日次、月次で生じる端数時間の処理方法を設定します。
(次項を参照)
方針3勤怠管理の見える化をどこまで細かく表示するか
→「表示の設定」
勤怠管理の状況が細かく表示される方が、自己管理意識を高めやすくなります。しかし、まずは正確な打刻管理から始めたいといったステージの場合は、シンプルな表示にして必須の確認項目がわかりやすくするのがよいでしょう。
方針4時間外勤務や休日出勤の制御をどの程度行うか
→「計上の設定」
締め後のデータを、どのように計上して給与計算用データに変換するかの設定を行います。
(「2-9 データ出力」参照)

 

設定前に押さえておく:タイムカードの見方

操作画面処理 > 就業管理 > タイムカード > (タイムカード入力 より氏名を選択)

タイムカードには、[予定][打刻][申請][承認]他、計算結果の簡易計算なども表示されます。

 タイムカードの画面例

編集可能者概要
予定上長・人事2-4 就業時間の登録」で、登録された所定就業時間(開始時刻・終了時刻)および所定就業時間数です。
打刻不可2-6 打刻の設定」が完了後に行われた、社員の打刻結果です。
客観的な記録となるため、編集はできません。
申請社員社員の申請による勤怠実績です。

打刻結果がコピーされますが、社員は実際に行った勤怠に基づき、申請欄を編集できます。
※設定により打刻時刻を15分単位等で丸めることが可能です。
※設定により予定時刻に丸めることが可能です。
承認上長・人事上長(使用者)が認めたとされる最終的な勤怠実績です。給与計算等の基準になります。

上記「申請」をコピーする(打刻時刻や社員による申請がそのまま勤怠実績になる)方法と、基本は予定をコピーして、時間外申請がある時のみ時間外申請の内容をコピーする(打刻時刻や社員による申請に関わらず、時間外申請があった時のみ残業を認める)方法があります。
 

設定前に押さえておく:勤務時間の丸め

操作画面 設定 > 就業管理 > タイムカードマスタ >タイムカードの設定(会社/部署)
 丸めの設定 > 入力・丸め単位(日次)の設定 

勤怠管理の丸め単位を設定します。 MINAGINEでは、勤怠時刻の端数処理を10分単位や30分単位などの単位ごとに、切上・切捨・四捨五入で丸めることが可能です。 ただし、労働基準法では日々の残業時間の端数処理は認められていないため、「処理しない」とすることを推奨いたします。

 初期設定

初期設定では、「処理なし(丸めなし)」です。 ※ 1ヶ月の合計の端数処理に関しては、「2-9 データ出力」にてご説明いたします。

 

出勤パターンが同じ場合の設定方法:申請欄へのコピー

操作画面 設定 > 就業管理 > タイムカードマスタ >タイムカードの設定(会社/部署)
 丸めの設定 > 入力・丸め単位(日次)の設定

 コピー方法を選択する

打刻のコピーとは、出勤パターンが同じ時にどのような処理で行うか、あらかじめ定めておくものです。初期設定では、勤務開始・勤務終了ともに、「打刻をコピー(選択した処理で丸める)」となっていますが、「予定をコピー(出退勤予定時刻にする)」を選択することもできます。

▶打刻をコピー
打刻時刻が、勤怠開始・勤怠終了の時刻として、申請にコピーされます。
社員は、打刻時刻と異なる時刻を、実際の勤怠時刻として申請したい場合のみ、編集を行います。

▶予定をコピー
予定時刻が、勤怠開始・勤怠終了の時刻として、申請にコピーされます。
(ただし、遅刻・早退をした場合は、その打刻時刻がコピーされます。)
社員は、早出または残業をした際に、実際の勤怠時刻を編集する必要があります。

どのような運用が多いの?

現在運用されているユーザー様の設定割合は、概ね以下になります。
 勤務開始 : 打刻をコピー:30% 予定をコピー:70%
 勤務終了 : 打刻をコピー:90% 予定をコピー:10%

 「申請のコピー」設定と画面反映のイメージ(「開始・終了時刻設定」の場合)

 フレックス制・シフト制の場合について

フレックス制1でコアタイムを設けている場合や、シフト制2で出勤予定を作らずに運用する場合は、「打刻をコピー」にする必要があります。

これをするとあぶない!

フレックス制1でコアタイムを設けている場合や、シフト制2で出勤予定を作らずに運用する場合は、打刻をコピーにする必要があります。出勤予定時間にコアタイムの開始時刻・終了時刻が設定されているため、予定をコピーしてしまうと、実勤務時間とはならないためです。

 

出勤パターンが同じ場合の設定方法:休憩の自動反映

操作画面 設定 > 就業管理 > タイムカードマスタ >タイムカードの設定(会社/部署)  
登録の設定 > 休憩の設定

休憩時間の自動反映について設定します。 MINAGINEでは、休憩時間数を「所定休憩時間数」または「勤務時間数に応じた休憩時間数」のどちらかを自動的に反映することができ、社員は日々の休憩時間数を入力する手間を省くことができます。

 休憩時間の表示例

 出勤時間から所定時間数を引いて、自動的に休憩時間を表示する
※就業形態が「固定勤務制」「ミニフレックス制」「シフト制1」の場合

出勤予定の[開始時刻]と[終了時刻]から、[所定時間数]を引いた時間が、所定休憩時間数として自動反映されます。

(例)
開始時刻09:00、終了時刻18:00
所定時間数8時間00分の場合
→09:00~18:00 の9時間拘束に対して、8時間の所定時間なので、所定休憩時間数は1時間になります。

 休憩時間の表示例

 設定した休憩時間帯/休日設定が自動反映される
※就業形態が「フレックス制1」「フレックス制2」の場合

2-4 就業時間の登録」で設定した就業時間の、休憩時間帯から自動反映されます。

 勤務時間数に応じ、休憩時間数を自動反映する
※上記にあてはまらない場合

終了時刻が登録された段階で、「2-4 就業時間の登録」で設定した勤務時間数に応じた休憩時間数が自動反映されます。

初期設定はどうなっているの?

平日勤務は「所定休憩時間数」の自動反映・休日勤務は「勤務時間数に応じた休憩時間数」の自動反映です。

 

出勤パターンが同じ場合の設定方法:承認欄へのコピー

操作画面設定 > 就業管理 > タイムカードマスタ >タイムカードの設定(会社/部署)> 登録の設定

日々打刻した勤怠データを、最終的に「承認欄」に転記するために、あらかじめ自動転記されるよう設定しておくことをお勧めします。」承認欄の勤怠は、上長(使用者)が認めた客観的な勤怠として扱われ、給与計算等の基準になります。MINAGINEでは「申請をコピー」または「予定と各申請内容をコピー」する方法があります。

 コピー方法を選択する

初期設定は、「予定と各申請内容をコピー」となっています。運用方法に応じて設定変更してください。

▶予定と各申請内容をコピー:
 打刻時刻や社員による申請に関わらず、時間外申請があった時のみ残業を認めたい場合に利用
 原則「予定」をコピーし、時間外申請が承認された時のみ時間外申請の内容をコピーします。
 (時間外申請が承認されない限り、平日は所定労働時間とみなし・休日は勤怠していない事にな
 ります。)
▶申請をコピー:
 打刻した時刻をそのまま勤怠実績とする場合や、社員による申請をそのまま勤怠実績として良い
 場合に利用

 打刻時刻や社員による申請がそのままコピーされ、勤怠実績になります。就業形態が「フレック
 ス制1」「フレックス制2」「出勤予定がないシフト制2」の場合は、こちらの運用をしてくだ
 さい。

 「承認のコピー」設定と画面反映のイメージ(「早出・残業時刻の設定」の場合)

これをするとあぶない!

フレックス制1や、シフト制2で出勤予定を作らずに運用する場合は、申請をコピーにする必要があります。

 

社員の入力ミスを防ぐために「アラート」設定を行う

操作画面 設定 > 就業管理 > タイムカードマスタ >タイムカードの設定(会社/部署)  
 登録の設定 > 入力値アラートの設定

MINAGINEでは、社員がタイムカードを見ながら正しい申請などができるように、アラートでお知らせする機能があります。就業形態や会社のルールにあわせて、必要なアラートを設定しましょう。

 「入力値アラートの設定」画面例(「時間外申請アラート」の場合)

 打刻がない場合

「打刻」に値がないが「申請」または「承認」に値がある場合、その申請時間を客観的に証明することができません。打刻を行わなかった理由を備考に記載させるためのアラートです。

・設定箇所 : 打刻時刻差異アラート
・基本設定 : アラートする

 「打刻」時刻と「申請」または「承認」時刻に、大きな乖離がある場合

打刻時間と働いたとされる時間に、大きな乖離がある場合、たとえ私用や同好会活動等労働以外の目的でで残っていたとしても、労働していなかったことを会社が把握していないと、残業代未払いのトラブルになる事があります。
このアラートでは、開始時刻と終了時刻で、それぞれ大きな乖離とみなす時間を設定できます。
初期設定では、開始時刻・終了時刻ともに30分以上の乖離がある場合にアラートします。

・設定箇所 : 打刻時刻差異アラート
・基本設定 : アラートする

 勤怠時刻未入力の場合

勤務日(勤務予定がある日)なのに、「申請」または「承認」に開始・終了の値がなく、休暇の申請がなかった場合、その日は勤怠を行ったかどうかの判断ができず、勤怠の締め作業を行うことができません。
このアラートは、全ての勤務日に対して、勤怠を入力させるか休暇申請をさせるためのアラートです。

・設定箇所 : 勤怠時刻未入力アラート
・基本設定 : アラートする

 部分休取得日の休憩時間

半休などの部分休を取得した日は、休憩を取得しないことが多い会社で、休憩時間が入力されている場合に、本当に休憩したかを気付かせるためのアラートです。

・設定箇所 : 部分休日休憩時間アラート
・基本設定 : アラートする

 時間外申請の有無

残業をしたり休日出勤をしたが、時間外申請が提出されていない場合にアラートします。

・設定箇所 : 時間外申請アラート
・基本設定 : アラートする

フレックスの社員や申請が不要な派遣社員等でも、1日の所定労働時間を越えた勤務を行った場合、アラートが表示されます。日々の時間外申請が不要な対象者は、” 対象社員”にチェックをいれましょう。

これをするとあぶない!

フレックスの社員でも、1日の所定労働時間を越えた勤務を行った場合、アラートが表示されます。日単位でなく月単位で過不足を調整する場合、「アラートしない」設定にする必要があります。

 タイムカード上の時間外時間数と、時間外申請の時間数が異なる場合

タイムカード上の時間外時間数とその日の時間外申請の合計が異なる場合にアラートします。ただし、1分でも異なる場合はアラートが出ますので、アラートを解消するためのハードルが高くなります。そのため、運用開始時は「アラートしない」ことを推奨しています。

・設定箇所 : 時間外申請アラート
・基本設定 : アラートする

 深夜残業申請の有無

「申請」または「承認」の時間帯に深夜(22時〜5時)が含まれているが、深夜時間帯の時間外申請がない場合にアラートします。
管理職やフレックスの社員など、所定時間を越えた勤務に対しての時間外申請は不要だが、深夜時間帯の勤務関しては、申請が必要な場合に利用します。

・設定箇所 : 時間外申請アラート
・基本設定 : アラートしない

 休日出勤申請をしていない場合

タイムカード上では休日出勤を行っているが、その日に時間外申請が申請されていない場合にアラートします。
管理職やフレックスの社員など、所定時間を越えた勤務に対しての時間外申請は不要だが、休日出勤に関しては、申請が必要な場合に利用します。

・設定箇所 : 時間外申請アラート
・基本設定 : アラートしない

 遅刻早退申請の有無

遅刻早退または所定勤務時間内に私用外出を行い所定労働時間に達しなかった場合にアラートします。

・設定箇所 : 遅刻・早退申請アラート
・基本設定 : アラートする
フレックスの社員や申請が不要な派遣社員等でも、アラートが表示されます。日々の遅刻早退申請が不要な部署は、「アラートしない」設定にする必要があります。

これをするとあぶない!

フレックスの社員や申請が不要な派遣社員等でも、アラートが表示されます。日々の遅刻早退申請が不要な部署は、「アラートしない」設定にする必要があります。

 タイムカード上の遅刻早退時間数と、遅刻早退申請の時間数が異なる場合

タイムカード上の遅刻早退時間数とその日の遅刻早退申請の合計が異なる場合にアラートします。

・設定箇所 : 遅刻・早退申請アラート
・基本設定 : アラートする

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