就業形態を
 整理しましょう


自社の就業形態は何で、運用はどうなっているかを明確にします。
MINEGINEでは「就業形態」を、労働時間制度の種類に対して使っています。働き方の多様化が進む中、労働時間のフレキシブルな運用を進める会社も増えていると思いますが、間違いのない運用が求められます。


 「2-4 就業時間の登録」の前に、自社の就業形態を整理しておく必要があります。



■勤務時間の基本的な考え方


①固定勤務制:出勤日・出勤時間が固定されている


・勤務開始・終了時間が固定で定められている
・所定労働時間外の出勤・退勤は遅刻/早退となる
・所定労働時間を超えた分を、時間外勤務として扱う



注:本項では、労務管理上「時間外労働」とみなされる部分を「時間外勤務」と記載しています。給与管理の際には、「時間外勤務」が法定時間内外、深夜時間等によって区分され、割増賃金率が異なりますが、ここではその区分は記載していません。




②-1 フレックスタイム制(パターンA:コアタイム無・自由運用)


・勤務開始・終了時間は、労働者が自由に決められて、
 各自の判断で月の所定労働時間分を働く
・遅刻・早退概念はない
・月の法定労働時間を超えた分を時間外勤務として扱う



②-2 フレックスタイム制(パターンB:コアタイム有)


・勤務開始・終了時間は、労働者が自由に決められて、
 各自の判断で月の所定労働時間分を働く
・ただし、コアタイム(必ず労働しなければならない時間帯)が定められている。
 その時間帯は勤務しなければならない。
・コアタイムに対して遅刻・早退が生じる
・月の法定労働時間を超えた分を時間外勤務として扱う



②-3 フレックスタイム制(パターンC:日集計・所定労働時間有)


・日々の所定労働時間は決まっているが、開始・終了時刻がある程度フレキシブルに運用できる
・所定出社時間以降は遅刻・早退の概念が生じる
・所定労働時間を超えた分が日々の時間外勤務として扱われる



③-1 シフト制(パターンA:出勤予定に沿った運用)


・出勤予定が随時定められ、その予定に沿って勤務をおこなう
・出勤予定時間に対して遅刻・早退が生じる
・出勤予定を超えて働いた分が時間外勤務となる



③-2 シフト制(パターンB:実質稼働時間ベースの運用)


・実際の勤務時間を計上していく(遅刻・早退概念はない)
・法定の8時間勤務を超えた時間を自動的に時間外勤務とする



注:「シフト制」とは雇用形態に関わらず、出勤日・時間が週ごと・月ごとで変動する就業形態を指します。アルバイトでも勤務日が「月~金の9:00~17:00」と定められていたら「固定時間制」の就業形態、正社員でも早番・遅番などが週ごとに変動する場合は「シフト制」の就業形態となります。




④ 変形労働時間制(フレックス制度以外)

※必要な合意と届出を行った場合のみ、1週間単位、1ヶ月単位、1年単位で定めることができる。

・業務の繁閑に応じて使用者側が労働時間を定める。
・所定時間内における遅刻・早退は生じる。
・選択した単位(週・月・年)の法定労働時間を超えた分を時間外勤務として扱う



⑤ 裁量労働制

※「専門業務型裁量労働制」、「企画業務型裁量労働制」に該当する業務で、必要な合意・届出がおこな  われている場合のみ、定めることができる。



注:「裁量労働制」の場合、勤務時間の時間配分や仕事の進め方に関して使用者が指示を出すことはできませんが、労働時間の把握・管理義務は使用者側に残ります。また通常の時間外勤務は、みなし労働時間に包含されますが、深夜残業、休日勤務の割増賃金は適用されるので注意が必要です。




  MINAGINEで設定するときの留意点


MINAGINEではシステム上、6種類の「就業形態」に区分しています。自社の就業形態のタイプを理解し、設定します。なお、就業形態は社員個々人で変更することもできます。


(就業形態を選択する画面例)




  就業形態設定についての基本的な考え方


 詳細は「2-8 タイムカードの設定」を参照してください。



出勤予定(所定時間)に関する設定
出勤予定を「超える/満たない」勤務時間扱いの設定
時間外勤務や遅刻早退発生時のアラート活用設定
タイムカードへの反映方法の設定・留意点
その他留意点
固定勤務制
自動作成されるように設定して運用。
時間外勤務/遅刻早退扱いで管理。

「アラートで時間外勤務申請・遅刻早退申請を必須」あるいは「○○時間以下は申請不要とする」か等を決めることができる(運用に応じて設定できる)。

「打刻通り」「時間外申請で入力している開始終了時間を反映」「時間外申請よりも打刻時間が短い場合の優先順位」等を決めることができる。

パート・アルバイトであっても、毎週同一勤務をしている場合は、固定勤務を適用。

(例:毎週、月・火・木の勤務の場合等)


フレックスタイム制1

自動作成されるように設定。出勤予定の開始・終了時刻にコアタイムを登録。


※標準労働時間の管理可能


1日の標準労働時間を基準に、超える(下回る)時間を、過不足時間として計算。

時間外勤務申請アラートはオフにするケースが多いが、オンにして固定勤務制のようなチェックをすることも可能。

ただし、メールアラートの1つである残業超過アラートは対象外となる。


留意点:出勤予定にコアタイムが登録されているため、出勤予定を申請欄や承認欄へ反映するような設定は行わないようにする。

所定労働時間を超えた時間(36協定上の残業時間ではない法内残業や法定休日含めて)が集計される。


※法定労働時間の総枠を超えた時間を時間外とする場合、勤怠データ出力の設定で計算式を作成する


フレックスタイム制2

自動作成されるように設定。コアタイムは設けない。


※標準労働時間の管理可能


原則、打刻通り。
シフト制1

手動で作成。

シフト表を利用して登録する。

時間外勤務/遅刻早退扱いで管理。
留意点:公休日に勤務した時間数を休日出勤としてカウントしたい場合、勤怠データ出力処理では所定外として集計される。所定休日・法定休日出勤に集計したい場合は、タイムカード出力から検索した休日出勤時間数を、勤怠データ出力の休日出勤時間数とする修正作業が必要。

シフト制2
出勤予定は作成不要。

遅刻早退の管理不要(遅刻早退の概念がない)。

ただし勤務開始から8時間以上勤務した場合は、時間外勤務管理の対象となる。


出勤予定を利用するような時間管理設定はできない。(有給休暇の管理等が、出勤予定に基づくものではなく、勤務実態から導く形となる)
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